漫画「へうげもの」の感想

山田芳裕による漫画「へうげもの」は、戦国時代の茶人・古田織部を主人公に、彼を取り巻く人々や茶道の歴史を描いた作品です。2005年から12年にかけて「モーニング」で連載され、第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、第14回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞しました。

私はこの作品を非常に面白く読みました。その理由は、以下の3点が挙げられます。

  1. 戦国時代の茶道の歴史をわかりやすく解説している

へうげもの」は、戦国時代の茶道の歴史を、古田織部を中心に、織部の師匠である千利休や、織部とライバル関係にあった武野紹鴎など、当時の茶人たちの視点から描いています。

私は、茶道についてあまり詳しくなかったのですが、この作品を読むことで、茶道の歴史や茶道具の種類、茶会の作法など、茶道の基本的な知識を身につけることができました。

また、作品の中では、茶道の歴史をめぐる茶人たちの争いや、茶道の精神性などが、わかりやすく解説されています。そのため、茶道に興味がない人でも、この作品を読むことで、戦国時代の茶道の魅力を十分に感じることができるでしょう。

  1. 登場人物のキャラクターが魅力的

へうげもの」の登場人物は、古田織部をはじめ、千利休武野紹鴎など、いずれも魅力的なキャラクターです。

古田織部は、型破りな性格ながらも、茶道に対する情熱と才能にあふれた人物です。千利休は、厳格な性格ながらも、茶道に対する深い理解と美意識を持つ人物です。武野紹鴎は、茶道の精神性を追い求める、孤高の存在です。

これらの登場人物たちの生き様や、彼らの間で繰り広げられる人間ドラマは、読者の心を惹きつけます。

  1. 美しい作画と演出

へうげもの」の作画は、山田芳裕の独特の画風で、戦国時代の風景や茶道具が、美しく描かれています。また、作品の随所に、印象的な演出が施されており、読者の視覚的・感覚的な興趣を刺激します。

例えば、作品の冒頭で、古田織部が茶道の道に進むきっかけとなる、ある出来事が描かれています。このシーンでは、茶道具の描写や、織部の内面の葛藤が、繊細なタッチで表現されており、読者の心を揺さぶります。

このように、「へうげもの」は、戦国時代の茶道の歴史をわかりやすく解説し、魅力的な登場人物たちの生き様を描いた、読み応えのある作品です。また、美しい作画と演出も、作品の魅力を高めています。

以下に、私が特に印象に残ったエピソードについて、簡単に紹介したいと思います。

このエピソードでは、古田織部の茶道への情熱と、千利休の厳しくも温かい指導が、生き生きと描かれています。

このエピソードでは、古田織部武野紹鴎の、茶道に対する対立と、それぞれの茶道の精神性が、対比的に描かれています。

  • 古田織部が、茶道の精神性を追い求めて、旅に出るエピソード

このエピソードでは、古田織部の茶道に対する探求心と、彼の成長が、描かれています。

へうげもの」は、戦国時代の茶道の歴史や、茶道の精神性を学ぶことができる、おすすめの作品です。まだ読んだことがない人は、ぜひ一度読んでみてください。